大学院ってどんなところ?修士と博士の違いは?学位を取るのは大変?大学院卒業後のキャリアはどうなる?などなど、様々な疑問に答えてくれます。アカハラを受けたときの対処法や各大学院のデータ比較まであります。
大学院についてぼんやりとしかわかっていない学部生は多いと思います。僕ももちろんそのひとり。この本に目を通して興味のある項目だけでも読んでみると、大学院への理解がかなり深まると思いますよ。
この本から学んだこと
- 純粋に研究者になることを目指す博士タイプ進学での研究室選びは、どれだけ研究室を自分の目で見てきたかが大事。学部生のうちから体当たりで研究室訪問をするべき。
学部生のうちは勉強不足でも許されます。興味のある研究室にはアポを取ってどんどん足を運ぶ積極性が大事。研究室にお邪魔するのは結構緊張しますが、他では得られない収穫があるものです。
でもそのためにはやっぱりやりたい研究を決める必要があります。やりたいことが決まらない学生は学会に行ってみるのがお勧めだそうです。
- 「学振」とは、大学院生にとって極めて割の良い給料
大学院生中心のセミナーに参加したとき、学振の話題になった事があります。その時は「ガクシン」が何なのかわかりませんでしたが、本書で詳しく解説されていました。
学振とは日本学術振興会特別研究員の略で、DC1、DC2、PDなどの区分に分かれています。採用されると、例えばDC1、DC2(博士課程在籍の大学院生対象)なら月額20万円と最大150万円の研究費が支給されます。狭き門ですが、この本には採用されるための戦略などかなり突っ込んだことまで書いてあり驚きです。
- 岡大の博士教育は結構頑張っている。
「第10章 学生の視点からみた大学院ランキング」によると、僕の所属している岡山大学は地方国立大としてはかなり健闘していることがわかります。
2007年のデータになるので10年前のものにはなりますが、岡山大学は大学院生総数ランキングで19位(2530人)、課程博士取得数13位(230人)となっています。東大を筆頭とする旧帝大勢には及びませんが、地方国立大としてはトップクラスです。
さらには博士課程在籍者がどれだけ学位を取得するかを表す課程博士取得見込み率(注1)では山口大についで全国2位の93.6%となっており、「地方国立大学の中に博士課程教育を充実させている『隠れた実力大』があるようだ。」と結論づけられています。
(注1)課程博士号取得見込み率=(単年度当たりの課程博士号取得者数×3)÷博士課程在籍者数
先日書いた「まず研究分野を決めよ」というM先生のお言葉はまだ実行できていません。一生を捧げる研究分野を決めるって、相当大変です。学会要旨なども参考に、面白そうな分野を探して学会に行ってみることから始めたいと思います。