東大院生ショータのなるほどアウトプット~バイオ研究者への道~

生物学系研究者を目指す大学院生のブログ。学びや気付きのアウトプットをしていきます。

他大学の院へ進学するデメリット

前回の記事で修士から他大学の大学院へ進学することのメリットについて書きました。

 

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もちろん良いことだけではなく、デメリットも伴います。 

今回は他大院進のデメリットをお伝えして行きます。

僕の実体験をもとに感じたデメリットは以下の6点です。

  • 研究が途切れる
  • 金銭的負担
  • 勉強することが多い
  • 内部進学者とくれべられる
  • 入ってみないとわからない
  • 大学の友人と離れる

 

研究が途切れる

その研究分野の歴史や流れ、研究上の要点をわかるようになるには時間がかかります。外部進学の場合、卒業論文研究を1年やってやっとその分野のことが見えてきたタイミングでラボを変わることになります。同一分野へ進むならまだいいですが、分野も変える場合また0からその分野を勉強し、やっと分かってきたタイミングで今度は就活シーズンに突入。就活が終わってホッと一息ついたら修論のデータを出すための実験を急ピッチでやって、とりあえず修論発表を乗り切れば卒業!というのが外部進学者の一般的な流れではないでしょうか。僕の所属ラボは外部進学者ばかりのところですが、先輩の修論を見ても中途半端なところで研究が終わっているケースはよくあります。一方博士課程への進学を考えている人は、分野や指導教員はキャリアに直結してくるので、修士2年+博士3年の5年間しっかり研究するつもりで全国から進学先を選ぶことをお勧めします。

 

金銭的負担

大学3年生くらいからあちこちの大学院見学に足を運びましたが新幹線代などの交通費もバカになりません。また例えば外部の院と今の所属の院どちらも受験するとなれば数万円の受験料を両方で払う必要があります。引越しに伴う費用も10万円くらいかかってます。その価値はあったと思っていますが、金銭的負担は覚悟する必要があります。

 

勉強することが多い

院試のためにしっかり勉強しなければならないのは内部でも一緒ですが、やはり外部のほうがハードルは上がります。また研究室に入ってからもその研究における基礎知識からラボのルールまで、覚えることは正直多いです。その分しっかり学べるというメリットの裏返しですけどね。

 

内部進学者との比較

僕は外部進学者ばかりの研究科なので苦労はないですが、別の研究科に外部から来た友人は内部進学者がみんな優秀でそこと比べられて肩身の狭い思いをしていると漏らしていました。

この辺りは研究科の風土によるところが大きいと思います。大学院大学または学部とつながっていない研究科は外部から学生が入ってくれないと困るので基本オープンだし、内部生と比較されることもないのでお勧めです!

 

大学時代の友人と離れる

意外に辛かったのがこれ。今いる大学で院に進学するなら、就職していく友人とは別れても院進組でそれまでの大学生活の延長のような人間関係は続きます。他大学の院、とくに地理的に離れたところへ進学すると学部時代の友人たちとなかなか会えなくなり、全く新しい環境で人間関係を一から構築しなければなりません。新しい出会いはもちろんたくさんありますが、心細さもあります。

 

 

ここまで他大学院進学のデメリットをご紹介しました。それでも僕が進学したのは、やりたい研究を修士+博士の5年間やって博士号を取得し研究者になるという明確な目標があったからです。就職すると研究内容はほとんど関係ないので、絶対修士で就職すると考えている人にとっては他大学院進学のメリットは限定的になると思います。ただ学歴フィルターは存在しますし、奈良先端大など就職に力を入れている大学院もあり一考の価値はあります。教授と合わないなど今の研究生活で非常に大きなストレスを抱えている人は、自分を守るためにも他大へ逃げるのは得策だと思います。いずれにせよ、自分が大学院進学に求めるものを明確にすることが大切です。

 

新しい環境へチャレンジする人を応援しています!

 

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