東大院生ショータのなるほどアウトプット~バイオ研究者への道~

生物学系研究者を目指す大学院生のブログ。学びや気付きのアウトプットをしていきます。

院転からの学振(DC1)申請を終えた所感

4月5月とかかりっきりだった学振(DC1)の申請が終わりました。

 

学振というのは一般に「日本学術振興会 特別研究員」の略で、簡単に言えば優秀な博士課程の学生が研究に専念するため、月20万円の給料と年100万円前後の研究費を国からもらえる制度です。もちろん、優秀な学生たちの中でごく一部しか採用されない狭き門。博士課程の学生は家がよっぽどお金持ちでない限り経済的に困窮しますので、これに採用されるか否かでは天地の差というわけです。また、採用されるかどうかに関わらず、研究者の必須スキルである「研究費の申請書を書く」ということを体験する場でもあります。

 

そんな学振の申請を終えて、特に大学院から違うラボに進んだ僕の経験をまとめてみたいと思います。

 

私は学部時代とは異なる大学の大学院に進学し、分野も大きく変えました。やりたい研究ができてとてもエキサイティングですが、第三者にアピールするにはデータの蓄積という点で不利であることは否めません。M1がスタートしてから新たに研究分野を勉強し直し、実験技能を習得し、夏頃からやっと研究に着手しました。それでもすぐに結果が出るわけもなく、今年になるまで何もデータが無いような状態でした。これに対して、多くの人はB3頃から所属する研究室でB4,M1と丸2年分の研究の蓄積があるでしょうから、研究の進捗、データ量ではどうしても不利になります。

 

これが学振で必ず全面的に不利になるのかはわかりません。一応、これを逆手にとって「短期間でここまでできた」とか、「異分野に飛び込む行動力と主体性がある」とアピールはしてみたつもりです。DC1では特に将来性重視とも聞きます。 

 

また、毎年何人も学振採用者を輩出しているような研究室もあります。そのようなラボでは申請までのサポートも手厚く、採用者の先輩から直接アドバイスをもらうこともできます。どのような申請書が受かるのかという経験値が自分と同じようなテーマで蓄積されているというのは非常に大きいと思います。僕のラボでももちろん指導教員やポスドクの方からサポートを頂きましたが、指導教員が学振を指導するのも数年ぶりでしたし、相談できる先輩もおらず、けっこう孤独な闘いでした。

 

もちろんやりたい研究ができている今のラボを選択したことに後悔はまったくありませんし、学振以外にも博士課程向けの支援制度はたくさんあります。学振に強いラボへ行くためにやりたいテーマを諦めるのは本末転倒でしょう。とはいえ金策は死活問題。博士進学を前提として大学院から新しい研究室に進む場合、B4からの蓄積があるライバルと闘って採用を勝ち取らなければならないことを意識して、よく戦略を練る必要があります。僕にもストラテジーはあったのですが、計画通り進まないのが研究なので...

 

というわけで、大学院修士1年から新しい研究室に移って学部時代と全く異なる分野の研究をスタートした僕が学振(DC1)の申請を終えた所感でした。誰かの参考になれば幸いです。