東大院生ショータのなるほどアウトプット~バイオ研究者への道~

生物学系研究者を目指す大学院生のブログ。学びや気付きのアウトプットをしていきます。

蛍光顕微鏡トレーニングコースに参加しました

 

 

蛍光顕微鏡、テキトーに使ってませんか?

分子生物学系の研究をしている方なら蛍光イメージングを使ったことがない人は少ないのではないでしょうか。GFPに代表される蛍光タンパク質を共焦点レーザー顕微鏡などで観察する手法は今日の生命科学では欠かせないテクニックです。同じ実験をしても撮影した画像の質によって、得られる情報や説得力は大きく変わります。それほど蛍光イメージングは重要なテクニックであるにも関わらず、その原理などについて体系的に学ぶ機会はなかなかないのではないでしょうか。 先輩からやり方だけ教わってなんとなーく画像を撮ってるって人、多いはず(笑)

 

蛍光顕微鏡トレーニングコースとは

僕もそういう一人だったのですが研究内容がまさにイメージングが中心なので、もっと勉強して良い画像を撮れるようになりたいと思っていました。そこで、2020年8月17日から21日までの5日間に渡って開催された「第31回細胞生物学ワークショップ -蛍光顕微鏡トレーニングコース-」に参加しました。

 

例年であれば神戸の情報通信研究機構で開催されるようですが、今回は件のウイルスの影響ですべてZoomでの開催となりました。詳しい授業内容は上のリンクから見ていただきたいと思いますが、光学顕微鏡の基本的な原理から蛍光イメージングを応用した実験(FRET,FRAP,FCSなど)、さらには画像解析の基本までを体系的、集中的に学ぶ講座となっています。

 

使用する教科書

新・生細胞蛍光イメージング』(原口徳子、木村宏、平岡泰 編  、共立出版)を教科書として事前に購入します。この講座のために書かれた本だそうで、この本だけでも基礎から実践まで網羅され、図や写真をふんだんに使って説明されているので1冊持っておくとずっと重宝すると思います。

 

購入は必須出ないですが副読本的に『ImageJではじめる生物画像解析』(三浦耕太、塚田祐基 著、秀潤社)もおすすめされており、画像解析の講座では著者の塚田先生が授業してくださいました。ImageJ初心者にもわかりやすく、めちゃくちゃ使える本です。

 

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講座の内容と感想

講座ではこの教科書を5日間で集中的に学び、さらに座学だけでなく実習を通して実際に蛍光顕微鏡を用いたイメージングや実験をすぐに遂行できるところまで持っていくことを目標としています。オンライン開催でしたが、内容を少しでも削らないようにと尽力くださり、実習も顕微鏡の操作画面と先生の映像を切り替えながら臨場感たっぷりに行ってくださいました。

 

生命系で蛍光イメージングをよく使う方、蛍光顕微鏡の画像がメインのデータになる方でもっと綺麗に撮れないか悩んでいたり、データの質で周りに差を付けたい方にはおすすめです。授業時間は合計40時間ほどになりなかなかハードでしたが、ここで得た知識は研究生活における武器になることは間違いなしです!

 

歴史も長い講座のようで、講師の先生方の中にもかつて学生としてこの講座に参加されていたという方がいらっしゃいました。こちらのページからこの講座を含むイメージングに関わるさまざまなトレーニングコースを知ることができます。

www.nibb.ac.jp

 

毎日遅くまで授業してくださり、授業中もZoomのチャットで他の先生が補足説明を随時入れてくださるなど、漫然とした講義ではない先生方の情熱を感じました。それにしても阪大生命機能の先生方ってパワフルな方が多いですね!学部時代に参加した「生命機能春の学校」でも先生方が朝まで議論に付き合ってくださったのを覚えています。バイオ系で他大院進したい方におすすめの研究科のひとつですので興味ある方はぜひ調べてみてください。

 

イメージングを武器に研究頑張るぞ〜!

 

 

www.shota-output.work

 

 

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