先日、「スパコンを知る集い in 岡山」に参加してきました。
スーパーコンピューター「京」を運用する理化学研究所 計算科学研究機構主催の講演会です。
会場は思っていたより大きくて、仕事上スパコンに関心がある企業関係者が多いような印象でした。高校生もいましたよ。(講演開始前に撮ったものです)
僕は理系ですがコンピュータ・サイエンスに関する知識がなく、このままじゃやばいと危機感を持っております。なんせ所属学部で全く教わりませんし...
では、現在スパコンがどのように応用されているか、そして「京」の後継機について簡単に書きたいと思います。
「京」の用途は幅広い
物理や化学の基礎研究から、創薬への応用、災害や交通、経済の社会シミュレーションといった研究にも利用されています。
研究目的だけでなく、ものづくりの現場でも活用されています。
「京」によるわかりやすい成果の例として天気予報が挙げられていました。スーパーコンピューターの恩恵は身近なところにもあるんですね。
シミュレーションでできること
スパコンの最も重要な仕事はシミュレーションです。直接見ることができないほど大きな、あるいは小さな現象や、観測できないほど短時間の現象、実験に多額の費用を要するものを計算によって研究可能にします。
例えば、岡山大学異分野基礎科学研究所の松本正和准教授は「京」を用いて水の研究をされています。水分子を直接観察できる顕微鏡は存在しません。また、水分子の挙動は速すぎて、仮に見えたとしても観察できません。ところが「京」で水分子の挙動をシミュレーションすれば、その振る舞いを調べることが可能になります。
自動車の設計など、実物を用いて試験すると多額の費用がかかる場合にもシミュレーションは役立ちます。
ポスト「京」はもうすぐ
現在「京」の後継機開発が進められています。「京」の100倍とも言われる性能を持つ次世代コンピューターが2020年に運用開始予定とのこと。これはワクワクしますね。
ポスト「京」の重点課題として指定されている中に、宇宙の基本法則と進化の解明といった基礎研究が入っていたのが印象的でした。僕は研究者志望ですが、将来の研究テーマ選びにポスト「京」が関わってくるかもしれないですね。
ちなみに、
シュミレーション 誤
シミュレーション 正
です。今まで間違ってた疑惑が......
最後に、会場で展示されていた「京」のシステムボードの写真を載せておきます。赤褐色の管は銅管で、そこに冷水を通して冷却するシステムだそうです。
<追記>
この記事は手違いで一度消えてしまったのですが、はてな社さんがバックアップデータを探し出してくださり復元できました(以下参照)。